定理
$f_1, \dots, f_m$ を $\mathbb{R}^n$上の真凸関数とする。以下も凸関数である。
方針
$f,g,h,k$順に、その関数を定義する錐に対して、$x$、$\lambda, \mu$ 、$\lambda$、$\lambda, x$についてpartial addtionをとれば良い。
証明
錐$K \equiv \lbrace (\lambda, x, \mu) \mid \lambda \ge 0, x \in \mathbb{R}^{n}, \mu \ge (f \lambda)(x) \rbrace$ を用いて、$F = \lbrace (x, \mu) \mid (1, x, \mu) \in K \rbrace$を定義する。
Theorem 5.3(Rockafellar 1970)より、凸関数は$\inf \lbrace \mu \mid (x, \mu) \in F \rbrace$より定まるため、そのことを念頭に以下を証明していく。
($f$の凸性)
$i = 1, \cdots, m$に対して、$K_{x_i} = \lbrace (\lambda, {x_i}, \mu) \mid \lambda \ge 0, x_i \in \mathbb{R}^{n}, \mu \ge (f_i \lambda)(x_i) \rbrace$を考え、$x$についてpartial addtionを行う。
この$K_x$から定まる関数を$f(x)$とすると、
$K_{x_i}$から定まる$F$について、$x_i \in \mathbb{R}^{n}$で、$f_i$が真凸関数であることから凸集合となる。よって、Theorem 3.1(Rockafellar 1970)よりそのparitial additionで定まる集合も凸集合となる。このことからTheorem 5.3(Rockafellar 1970)より、$f(x)$が凸関数であることが言える。
($g$の凸性)
$i = 1, \cdots, m$に対して、$K_{\lambda_i, \mu_i} = \lbrace (\lambda_i, x, \mu_i) \mid \lambda_i \ge 0, x \in \mathbb{R}^{n}, \mu_i \ge (f_i \lambda_i)(x) \rbrace$を考え、$\lambda, \mu$についてpartial addtionを行う。
この$K_{\lambda, \mu}$から定まる関数を$g(x)$とすると、
となる。$(f_i \lambda_i)(x)$は$\lambda_i \operatorname{epi}f_i$から定まる凸関数であるため、$K_{\lambda, \mu}$はそれらの積集合となるため、凸集合となる。よって、Theorem 5.3(Rockafellar 1970)より、$g(x)$が凸関数であることが言える。
($h$の凸性)
$i = 1, \cdots, m$に対して、$K_{\lambda_i} = \lbrace (\lambda_i, x, \mu) \mid \lambda_i \ge 0, x \in \mathbb{R}^{n}, \mu \ge (f_i \lambda_i)(x) \rbrace$を考え、$\lambda$についてpartial addtionを行う。
この$K_{\lambda, \mu}$から定まる関数を$h(x)$とすると、
となる。、$K_{\lambda, \mu}$から定まる$F$は、$\lambda$については確率単体であり、$x,\mu$については凸関数のepigraphであることから凸集合となっている。よって、Theorem 5.3(Rockafellar 1970)より、$h(x)$が凸関数であることが言える。
($k$の凸性)
$i = 1, \cdots, m$に対して、$K_{\lambda_i, x_i} = \lbrace (\lambda_i, x_i, \mu) \mid \lambda_i \ge 0, x_i \in \mathbb{R}^{n}, \mu \ge (f_i \lambda_i)(x_i) \rbrace$を考え、$\lambda$についてpartial addtionを行う。
この$K_{\lambda, x}$から定まる関数を$k(x)$とすると、
となる。最後2つの等式はright scalar multiplicationの定義および変数変換である。
$K_{\lambda, \mu}$から定まる$F$も凸集合となっており、Theorem 5.3(Rockafellar 1970)から$k(x)$が凸関数であることが言える。
参考文献
Tyrrell Rockafellar, R, 1970 p40