定理
$A$を$\mathbb{R}^{n}$から$\mathbb{R}^{m}$への線形変換とする。このとき、$\mathbb{R}^{m}$上の各凸関数$g$に対して、関数$gA$を次のように定義すると、$\mathbb{R}^{n}$上で凸となる。
また、$\mathbb{R}^{n}$上の各凸関数$h$に対して、関数$Ah$を次のように定義すると、$\mathbb{R}^{n}$上で凸となる。
証明
($gA$の凸性)
Theorem 4.1(Rockafellar 1970)を用いる。
$g$が凸関数であることと$gA$の定義から、$x_1, x_2 \in \mathbb{R}^{n}, \lambda \in [0,1]$に対して以下が成立する。
よって、$gA$は凸関数となる。
($Ah$の凸性)
定義式は、線形変換$(A,1) \colon (x, \mu) \in \operatorname{epi}h \subset \mathbb{R}^{n+1} \longmapsto (y, \mu) \in \ \mathbb{R}^{m+1}$を用いて次のように記述できる。
$\operatorname{epi}h$は凸集合であるため、その線形変換された集合も凸集合となる。よって、Theorem 5.3(Rockafellar 1970)より、$(Ah)(y)$は凸関数となる。
参考文献
Tyrrell Rockafellar, R, 1970 p38