Theorem 5.7(Rockafellar 1970)

定理

$A$を$\mathbb{R}^{n}$から$\mathbb{R}^{m}$への線形変換とする。このとき、$\mathbb{R}^{m}$上の各凸関数$g$に対して、関数$gA$を次のように定義すると、$\mathbb{R}^{n}$上で凸となる。


\begin{eqnarray*}
(gA)(x) = g(Ax)
\end{eqnarray*}

また、$\mathbb{R}^{n}$上の各凸関数$h$に対して、関数$Ah$を次のように定義すると、$\mathbb{R}^{n}$上で凸となる。


\begin{eqnarray*}
(Ah)(y) = \inf \{h(x) \mid Ax = y\}
\end{eqnarray*}
証明

($gA$の凸性)
Theorem 4.1(Rockafellar 1970)を用いる。 $g$が凸関数であることと$gA$の定義から、$x_1, x_2 \in \mathbb{R}^{n}, \lambda \in [0,1]$に対して以下が成立する。


\begin{aligned}
(gA) \big( \lambda x_1 + (1-\lambda)x_2 \big)
&= g\big( A\lambda x_1 + A(1-\lambda)x_2 \big) \\
&= g\big( \lambda Ax_1 + (1-\lambda)Ax_2 \big) \\
& \le \lambda g(Ax_1) + (1-\lambda) g(Ax_2) \\
& = \lambda (gA)(x_1) + (1-\lambda) (gA)(x_2)
\end{aligned}

よって、$gA$は凸関数となる。

($Ah$の凸性)
定義式は、線形変換$(A,1) \colon (x, \mu) \in \operatorname{epi}h \subset \mathbb{R}^{n+1} \longmapsto (y, \mu) \in \ \mathbb{R}^{m+1}$を用いて次のように記述できる。


\begin{aligned}
(Ah)(y) = \inf \lbrace \mu \mid (y, \mu) \in (A,1)(\operatorname{epi}h)  \rbrace
\end{aligned}

$\operatorname{epi}h$は凸集合であるため、その線形変換された集合も凸集合となる。よって、Theorem 5.3(Rockafellar 1970)より、$(Ah)(y)$は凸関数となる。

参考文献

Tyrrell Rockafellar, R, 1970 p38