Theorem 5.6(Rockafellar 1970)

定理

$\lbrace f_i \mid i \in I \rbrace$ を$\mathbb{R}^{n}$ 上の真凸関数の集合とし $I$は任意の添字集合とする。また、$f$ をその集合の凸包とする。このとき$f$は、


\begin{eqnarray*}
f(x) = \inf \left\{\sum_{i \in I} \lambda_i f_i(x_i) \mid \sum_{i \in I} \lambda_i x_i = x \right\},
\end{eqnarray*}

と記述できる。ただし、下限は $x$ を要素 $x_i$ の凸結合として表現するすべての表現にわたってとり、その際に有限個の係数 $\lambda_i$ は $0$ でないものとします。$x_i$ を $f_i$ の定義域に制限する場合でも、この式は有効である。

証明

定義により、


\begin{eqnarray*}
f(x) 
&=& \operatorname{conv} \lbrace f_i \mid i \in I \rbrace \\ 
&=& \inf \big\lbrace \mu \mid (x, \mu) \in \operatorname{conv} \lbrace \bigcup \operatorname{epi}f_i \rbrace \big\rbrace \\
&=& \inf \big\lbrace \mu \mid (x, \mu) \in  \bigcup \lbrace \Sigma_{i \in I}  \operatorname{epi}f_i \rbrace \big\rbrace
\end{eqnarray*}

が成立する。最後の等式は、Theorem 3.3(Rockafellar 1970)より成立するものである。$f_i$が真凸関数であるから$\operatorname{epi} f_i$は空でないため、$(x_i, \mu_i) \in \operatorname{epi} f_i$が存在し、それらと幾つかは非ゼロである数$\lambda_i$を用いて


\begin{eqnarray*}
(x, \mu) = \Sigma_{i \in I}(x, \mu) = (\Sigma_{i \in I}x_i, \Sigma_{i \in I} \mu_i)
\end{eqnarray*}

と記述できる。$\mu_i \ge f_i(x_i)$であるから、代入することで、


\begin{eqnarray*}
f(x) = \inf \left\{\sum_{i \in I} \lambda_i f_i(x_i) \mid \sum_{i \in I} \lambda_i x_i = x \right\}
\end{eqnarray*}

と記述できる。

参考文献

Tyrrell Rockafellar, R, 1970 p37